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ジブリ新作「思い出のマーニー」はどういう作品か。(感想とヒット考察。ネタバレ考慮した書き方)

どうも井上ジェット(@jetinoue)です。
スタジオジブリ最新作「思い出のマーニー」を見てきました。
(ネタバレについては途中でアナウンスをします)

思い出のマーニーはランキング初登場3位のようです。え?3位?興行収入の数値は3億円程度(初週)と…ジブリ作品としては信じられないような低い数値!ええええ?3位?3億円??目を疑います。どうしてこうなったのでしょうか?

作品の感想、内容の分析、そしてどうしてこんな売り上げなのか。
風立ちぬのときには、CMをばんばん打っていましたが、思い出のマーニーのCMは控えめな感じもありますね。それはどうしてでしょうか。
同じ米林監督の「借りぐらしのアリエッティ」の興行収益は100億円弱という成績でしたがマーニーはいくらまで行くでしょうか。

まずは私(井上ジェット)の作品の感想からです。
私の個人的な感想は、すばらしいという感想です。アニメのキャラクターが本当に生きている、息づいている。アニメの作画のすごさも見られます。作品から感じる心の部分もすばらしかったです。人が持っているいろいろな感情の中で、なかなか引き出されない部分ってあるとおもいます。そういう心の「希な部分」を刺激されました。得体も知れない感覚に取り込まれ、涙がうっすら浮かんできます。そして物語の終盤では、ぼろぼろ泣いてしまいました。私(井上ジェット)はセンシティブ(感傷的・敏感)なところがあるので、とくに強く感動してしまいました。終わってから放心状態で立てないほどに。とにかくすばらしかったです。
原作を完全にオリジナル作品のようにして作っていました。シナリオも完璧に近かった。
ガラスのような繊細な描写を、恐ろしくしっかりと表現しているようでした。

その、ガラスのような繊細な描写とは、どのようなものでしょうか。
ブログの後半で解説します。


★後半に行くとネタバレ付きの感想と、分析が出てきます。


背景美術や、サントラの音楽も、すばらしかったです。劇場でパンフレット買ってしまったし、サントラも買います。

ジ・アート・オブ 思い出のマーニー (ジブリTHE ARTシリーズ)


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●成績や競合作品はどうでしょうか。
公開は2014年8月です。この時期はアナと雪の女王があったり、それに続く夏の映画でマレフィセント、スタンドバイミードラえもん、と作品競合が多いという理由はあるでしょう。アナ雪でスッキリしてしまったという満足している状態というのもあると思います。ビジネス的には思い出のマーニーは東宝が配給となっています。東宝の看板といえばなんでしょうか。それはゴジラ、ポケモン、ドラえもんがあります。映画配給は東宝でも、DVDはブエナビスタ(ウォルトディズニー社)が出しています。推測ですが、もしかしたら、東宝はCMに力を入れにくかったのかもしれません。


ガラスのような繊細な描写とは、どのようなものでしょうか。
また、どうしてこの作品の成績は、あまり伸びていないのでしょうか。さらに深掘りして話したいと思います。

ここから先はネタバレを含みます。
 ↓↓↓ つづきを読むでどうぞ。
つづきを読む

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●ガラスのような繊細な描写とは、どのようなものでしょうか。
この作品は大人の作品です。大人になった人は誰しもが子供を経験してきています。思い出のマーニーは、子供の経験がある大人だから、感じられるものがあります。

子供の頃に、こうありたかった。最上の子供の頃の思い出を見せてあげたい。そんな監督の気持ちが入っている作品です。大人になりきれていない大人は、感想が違うし、子供時代が最高にハッスルだった人は、面白みを感じられないかもしれません。子供時代の記憶によって、この作品の賛否は大きく変わる作品です。

しかし、この作品はとても「怖い」ところがありました。

映画を見ていると、怖い!とホラー映画のような恐怖を感じる演出が入っています。最愛の親友ととても素敵な時間を過ごしていて、恐怖を感じる。誰しもが素敵な時間、平和で幸せな時がいつまでも続けば良いと思っています。未来まで続くと思うから、その時が幸せでいられます。しかしこの物語ではそれは続かないとみんななんとなくわかっています。だって、「思い出」のマーニーだし、そもそもマーニーは屋敷から出てきているのですから。いつかいなくなるとわかっています。

北海道での新鮮な体験や素敵なマーニーとの思い出、楽しい時間を楽しむことができます。しかし、マーニーや子供の頃の思い出がもしも「幻」であったならばとても恐ろしいことです。楽しさと恐ろしさの二つの気持ちが混ざります。これが得体も知れない感覚の正体です。サスペンス映画のようなテイストを感じるのです。

物語は最後に謎が解明されます。解明された謎がわかると、怖さや楽しさ、これまでの思い出がすべて解消されて、ボロボロに泣いてしまうのです。そりゃそうなんです。この映画の中で素敵な体験をしてきたことが、まさに思い出に変わるわけですから。悪い言い方をすれば、好きなマーニーが亡くなってしまった、お葬式のようなものです。マーニーが好きになっていればいるほど、お別れの悲しみは強いわけです。私は映画館で映画を見ましたが、家に帰ってから思い出し泣きしちゃいました。


●どうしてこの作品は成績があまり伸びていないのか。
この作品、ファンタジー映画としてジャンル付けされています。しかし内容は静かで、ガラスのように繊細な世界観です。トトロみたいなおちゃめなキャラクターもでてきません。そうなるとどうしても絵作りは明るくなりません。テレビCMで流しても、記憶にとどまらない。マス(大勢の人)には届きにくい作品です。一部の人には強く届く作品。そういう作品です。ジブリは、ラピュタや千と千尋など、大衆エンタテインメントの作品をやってきているというのがあります。だから宮崎駿作品には、歌って踊れのお祭り状態シーンがだいたい入っています。ポニョでもお祭り騒ぎをしていますよね。勝負の勝ち負け、ギャンブル的要素、チャレンジ張り合い、などなど、いろいろな人間像を出しているのが駿作品。いろんな人と出会ってきたから成しえる物語だから、大衆娯楽たる作品になっています。
そして米林宏昌監督作品は米林さん流で、それはすばらしいものです。
そういった作品の違いは、それぞれすばらしいものですが、映画の興行収益としては、最初から幅が決まっているのかもしれません。
夏休みシーズンに男の子を取り込めない作品ではあるので、もったいないっていえば、もったいないかも。
思い出のマーニーはまだ始まったばかりですから、どのくらい伸びるのかが気になりますね。


<その後>
劇場の興業収入はwikipediaの情報では、35.3億円となっています。ジブリの歴代作品の中では12位の成績のようです。12位以下には、ラピュタやトトロ、ナウシカが入っていますが、これは時代的なものがあるでしょう。初週が3億円で、じわりと伸びました。2014年の映画興収ランキングは、1位がアナと雪の女王、2位がSTAND BY ME ドラえもん、3位マレフィセント、4位&5位がるろうに剣心、6位がテルマエロマエ、7位が名探偵コナン、8位が思い出のマーニーでした。( http://www.eiga-ranking.com/boxoffice/japan/ )
しかしマーニーは本当にすばらしく繊細な人間模様が描写されていて、個人的にはすごく好きなので米林監督の次回作がとても楽しみです。


思い出のマーニー: スタジオジブリ絵コンテ全集21



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